2016年7月17日カテゴリー:

平成28年度学校説明会

7月17日(日)にコラニー文化ホール(大ホール)で学校説明会が開催されました。1144名の中学生とその保護者の皆様、中学校の先生方にご来場いただきました。当日は斉木校長による教育の特色についての説明や生徒による進路状況・西高紹介、教諭による入試情報等の説明のほかに、部活動紹介とともに、吹奏楽部や筝曲部、ダンス部によるパフォーマンスも披露されました。
閉会後は本校教員による個別相談や各部活動のパネル展示なども行いました。この説明会で西高に対する理解を深めていただき、入学の意志を強くしていただければ幸いです。

 

校長あいさつ

 

学校説明会の冒頭に、斉木邦彦校長が皆様にごあいさつ申し上げました。
その際にご来場の皆様に本校の教育の特色についても説明させていただきました。

 

 

本校教育の特色について

みなさん、こんにちは。校長の斉木邦彦です。本日は、甲府西高校の学校説明会に、暑い中を、また学期末、夏休み前のお忙しいところを、こんなに多くの中学生のみなさん、保護者の方々、そして先生方にご参加いただき、まことにありがとうございます。本日の説明会の開催に向けて教員と生徒で力を合わせて準備をしてまいりました。十分でない点もあるかもしれませんが、ご容赦いただけますようお願いいたします。説明会の開催にあたってのあいさつという場面ですが、少々時間をいただき、甲府西高校の特色について、何点か述べさせていただきます。

 

1.沿革と校風

本校の歴史は、明治35年(1902年)5月1日、コラニー文化ホールがあるこの地に創立された山梨県高等女学校から始まり、甲府高等女学校など校名の変更を何回か重ねた県立女学校の時代が、太平洋戦争期まで続きました。

 

戦後の学制改革により甲府第二高等学校となり、また、下飯田の現在地への校舎移転直後、昭和50年4月から男女共学に移行し、男女共学で全学年がそろった昭和52年4月、校名を甲府西高等学校と変更しました。さらに、平成9年4月、単位制への改編と同時に、他の普通科高校に先駆けて全県一学区となり、今年が20年目となります。

 

寿町のこの地に校舎があったのは、女学校から甲府第二高校にかけての時代で、計算しますと73年間になります。一方、下飯田の現在地での男女共学の甲府西高の時代は今年度が42年目となりますので、「73年」対「42年」ということで、本校の歴史においては、ここ寿町に校舎があった女学校と女子高の時代の方がまだまだ長いといえます。

 

そのためでしょうか、本校の校風は自由でのびのびとした雰囲気のもと、柔和で大らかな人柄の生徒が多いように思います。余談ですが、私は甲府西高校の卒業生です。自分では柔和で大らかな人柄です、とは言えませんし、現在の西高生が私のことをどう見ているのかも、わかりません。初対面のみなさんには本当にポカンとするしかない話で、失礼しました。

 

2.校訓「自己を知り、自己を深める」

さて、本校の校訓は「自己を知り、自己を深める」ですが、これは甲府第二高校時代の教育目標を受け継いでいます。この教育目標においては、「高校時代は、自我の形成と確立のときであり、その後の長い人生を決定する重要な時期である。高校では自己の教養を広め、個性を伸ばすことに専念すべきである」と示されています。

 

現在の西高生は、勉強だけでなく、部活動にも一生懸命取り組んでいます。各自が持っている力は、自分でもその可能性に気づきにくく、何でもやってみないことにはわからないものです。高校時代にはいろいろなことに挑戦してほしい。

 

西高生には、自分の個性や才能を大切に育てつつ、自分の足りないところは怯まず努力する、そういう生徒であってほしいと思います。このことは、自分に対する思いやりをもつということです。そして、自分に対する思いやりをもてる人こそが人に対して思いやりをもてるのではないかと考えます。

 

3.単位制普通科高校ということ

次に、学校の制度的な面についてですが、甲府西高は単位制普通科の高校です。「学びたい科目を選択し、修得した単位の積み重ねによって卒業が認定される」という単位制の趣旨を踏まえ、HR編成のあり方や65分授業の展開など、教育効果を高めるための工夫を重ね、教育課程を絶えず見直し、今日に至っています。

 

高校入学の段階で、三年先の高校卒業後の進路を考えるのは難しいと思います。高校卒業後の進路が具体的にイメージできなくても、甲府西高の単位制普通科という広い集団の中でなら、様々な学習の成果を一つずつ丹念に積み重ね、自分を見つめながら自分の個性や適性を探り、そして将来を考えていくことができます。

 

県内の広い範囲から集まり、スポーツや文化活動、様々な分野でがんばる仲間とともに過ごす学校生活は、自分の進む方向を考える上で、非常に充実したものになるはずです。本校には専門学科やコースがありません。しかし、生徒集団や教育課程の中に仕切りがなく自由度が高い、このことは本校の魅力ある特色だと考えます。

 

過日、県教育委員会が国際バカロレアの甲府西高への導入を決定した、との新聞報道がありました。ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する世界標準の教育プログラムを受講し、世界共通の試験に合格すれば、海外の大学への入学資格が得られ、国内大学でも一定の定員枠を設けて受け入れるとされています。

 

導入予定は平成32年度の入学生、現在の小学校6年生が高校進学の時です。2年間のプログラムで、高校2年生になる時に登録しますが、受講する生徒だけで特別なコースやクラスを編成するのではなく、単位制の選択科目群の中に他の科目と並んで設定されたバカロレアの教育プログラムの科目を選択する形になると思われます。

 

視野を世界に広げ、海外の大学への進学を促進する、ということもねらいとしてありますが、それと同時に、このプログラムに設定される科目だけでなく、準備の段階から学校のすべての授業が変わっていくことで西高全体の教育が充実したものになり、様々な個性や才能を持った生徒の期待に応える学校になることと思います。

 

4.学習と部活動の両立と家庭学習

続いて、部活動については文化・体育とも活発です。授業中の静けさ、それとは対照的に放課後の活気と賑やかさ。西高生はそのときどきの活動に集中し、学習と部活動を両立させることで高校生活を意欲的に過ごせているのだと思います。学習と部活動とが支え合い、その相乗効果が大きなエネルギーを発揮しています。

 

しかし、部活動の時間が長くなる時期には、家庭学習の時間が制約されますので、そのためにも生徒に与える学習課題を有効に活用しています。与えられた学習課題に少しずつでも、地道に確実に取り組むことで、家庭学習の時間が確保でき、学習に向かう姿勢が身につきます。

 

「西高は課題が多い」という声を聞くこともありますが、課題が部活動の充実を妨げているのではありません。学習と部活動の両立を支えているのです。他の高校でも課題を精選し、生徒の過重な負担にならないようにしていると思いますが、このことは本校でもまったく同じです。

 

5.大学への進学指導

次に、進路指導についてですが、およそ9割の生徒が国公立大学進学を希望しているということもあり、進路指導の体制としては、国公立大学を目標に生徒にがんばらせたい、という方針です。それは、国公立大学を目標にすることで、幅広い科目履修と、最後まで諦めない粘り強い姿勢を求めていきたいからでもあります。

 

将来大学で専門的に学ぶ分野の基礎は高校の教科の中のどこかに位置づけられています。少しの勉強で興味ありそうな分野を安易に決めてしまうのではなく、高校段階ではたくさんの科目を幅広くじっくり学ぶ中で自分の進路を考えてほしいと思います。そのことがたくさんの受験科目を必要とする国公立大学受験への対策にもつながります。

 

国公立大学合格者数は、生徒がたくさんの科目を学び、最後まで諦めない雰囲気が学校にあることの一つの象徴的な数字であると考えます。「国公立大学を目標に!」といっても、これはあくまでも全体的な指導体制のことであり、基本は個々の生徒の進路希望を大切に指導しているのは申し上げるまでもないことです。

 

6.まとめ

様々な個性や才能を持ち、何事にも一生懸命がんばる姿勢を大切にする生徒たち、一方、教員はそういう生徒たちを励まし見守っている、甲府西高はそういう学校であると思います。専門学科やコースがないからこそ、生徒は思い思いのスタイルでがんばります。個人でがんばる西高生、チームでがんばる西高生、教員もそんな西高生に促されるようにがんばってしまいます。教室に行って西高生の前に立つと、教員は自然とがんばってしまうのです。

 

長い歴史の中で受け継がれてきた、「自由でのびのびとした大らかな校風」とはどういうものか、みなさんに実感してほしいと思います。みなさんのかけがえのない青春時代を西高に託してください。甲府西高を、みなさんの高校進学の際の選択肢の一つに入れていただけたらと思います。私たちは広く深い集団の中に新入生を受け入れていきたいと考えます。

 

7.終わりに

終わりに、中学生の皆さんにお願いがあります。甲府西高を受験する、しないにかかわらず、受験の直前まで、五教科すべての教科をしっかり勉強してください。単位制的にいうと、学習を積み上げてくださいということになりますが、高校入試に向けての勉強、そしてその姿勢は、高校での毎日の勉強にそのままつながります。

 

受験勉強は何かのための準備としてだけあるのではありません。一生懸命に勉強していると、自分の人生を確かに自分で生きているのだという実感が得られるはずです。そのとき、受験勉強そのものがまさに人生の本番なのだと思います。

 

以上で話は終わるのですが、「7」という数字で終わるよりも、私は、「8」という数字で終わりたいと思います。なぜなら、「ニシガハチ」だからです。そこで、少々強引ですが・・・。

 

8.みなさんの健闘を祈ります!

みなさんの健闘を祈りつつ、これで私のあいさつを終わります。ご静聴いただき、ありがとうございました。

 

 

学校説明会の様子

午前中、念入りな最終打ち合わせとリハーサルが行われました。
西高の象徴、大空像が入ったシャーペンです。

 

 

開会前には茶道部による呈茶や学園祭ビデオが上映されました。

 

 

司会進行は放送部の二人です。
吹奏楽部がオープニングを飾りました。
進路状況の説明や西高紹介も在校生が行いました。

 

部活動紹介では、筝曲部とダンス部がパフォーマンスを披露しました。

日程の最後には、教務係の名取教諭が本校における高校入試情報等をお伝えしました。

 

説明会終了後、ホワイエではて各部の活動を紹介したパネル展示を行い、在校生が質問に答えました。
また本校職員による個別相談のブースも設けられました。

 

当日はお暑い中、またお忙しい中、多くの中学生また保護者の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。