2020年4月30日カテゴリー:

5月1日は創立記念日です

臨時休業期間中ではありますが、5月1日は本校118周年の創立記念日になります。1902年(明治35年)、甲府市寿町、今のYCC文化ホールの地に校舎が完成し、5月1日に県立山梨高等女学校としての開校式が行われました。

 

当時の様子を伝える資料には、第1回の入学試験に関する記載もあり、例えば、国語では、次のような問題が出題されていたようです。

 

次の章句に読みと解釈を施すべし

巧に為らんよりは、拙なく誠あれ。

暫時にても暇あるときは、心を専にして修学すべし。朝に温めて夕に冷すことなかれ。

 

どうでしょうか。国語力を問うこともさることながら、入学後の学問に向かう姿勢を訴えているようにも思えます。当時の日本は工業化が進展し、その技術力は大きな進歩を遂げていたようですが、経済格差や女性の社会進出など、今とは比べものにならない厳しい時代であったことはいうまでもありません。そうした中、高等女学校の門をくぐり、学問を修めようとした大先輩の姿を想像すると、励まされる思いがします。

 

その後、本校は、学校制度の変遷とともに、大正13年4月には校名を甲府高等女学校と改め、太平洋戦争後の昭和23年4月、学制改革により甲府第二高等学校、また昭和50年、ここ下飯田の地への移転後は、男女共学化にあわせて、甲府西高等学校と校名を変更し、さらに、平成9年4月からは単位制に改編、令和元年には国際バカロレア認定校となり、現在に至っています。その間には、太平洋戦争に代表される厳しい時代もありましたが、いつの時代も、この学び舎に集う若者が、日々の学校生活の中で、学業に励み、社会に巣立っていきました。 今、皆さんも新型コロナウィルス感染という不安な状況下にあり、臨時休業期間が長引くなど先の見通せない重苦しい毎日を過ごしていますが、幾多の困難を乗り越えてきた先輩方に負けないよう、希望をもって生活して欲しいと思います。それが、西高の伝統であり、西高の力であると私は思っています。苦しい時間が続きますが、皆さんが勇気をもって乗り越えてくれることを信じています。

 

さて、今回の創立記念日に際し、先輩の一人で、現在、ヴァンフォーレ甲府で活躍されている太田修介選手から、皆さんへのメッセージが届けられました。先輩からのエールは、皆さんにとって、何よりの励ましになるのではないでしょうか。太田選手も、Jリーグがいつ再開されるか見通しがもてず、チームとしての練習もできない厳しい生活が続いていますが、チームのため、そして何より自分のために鍛錬を欠かさない日々を送っていらっしゃいます。そんな先輩の姿は、必ずや皆さんの背中を押してくれるものと思います。太田選手に心から感謝するとともに、今後の御活躍とヴァンフォーレ甲府の躍進を、甲府西高校全体でお祈りし、応援したいと思います。

 

 

頑張れ、太田選手! 頑張れ、ヴァンフォーレ甲府!

校長 手島 俊樹